Wednesday, June 16, 2010
るにん (2004)
一つ、そしてまた一つ。竹籠に入れられた罪人が崖から海へと突き飛ばされる。八丈島での死刑執行の儀式、通称“ぶっころがし”。この壮絶な光景をただ呆然と眺めている女がいた。江戸・吉原に火付けをした罪で流人となった花魁・豊菊(松坂慶子)だ。豊菊は島役人・稲葉重三郎(根津甚八)に流人仲間の罪を密告し、飢饉の激しいこの島で生きるために男たちに体を売って生き延びてきた。それもただひたすら“御赦免状”を貰い、
再び江戸へ帰るため。しかし、待てど暮らせど御赦免状は届かない。稲葉が豊窮の体をただ弄んでいたことを知ると、豊菊は稲葉の股間を刀で斬り付けた。逆に稲葉の怒りを買った豊菊は、折檻を受けてしまう。
心身共にボロボロになった豊菊を介抱したのは、博打の罪で流人となって送られてきたばかりの喜三郎(西島干博)。日頃、男たちの“慰め者”として姉御肌を効かせていた豊菊が、「こんな汚れた体で、こんな島の土になりたくない」と嘆き悲しむ姿を見て、喜三郎は優しく豊菊を抱擁しながら誓う。「俺が江戸に帰してやる」。
翌日から喜三郎は、海を見渡せる崖に座り、潮の流れを観察する日々が続いた。八丈島の風土・文化を研究している元・武士の流人・近藤富蔵(島田雅彦)によると、7月になれば無潮の海を上手く舟で抜けられる時があるという。
そんな喜三郎の企みを察して、豊菊同様、吉原の火付けの罪で流人となったばかりの花鳥(伊藤麻里也)がすり寄ってきた。自分が島流しになったために苦労を掛けているであろう両親に遭い、ただひと言、謝りたいという。色仕掛けで喜三郎に迫り、「私も連れていって」とせがむ花烏だったが、豊菊を愛する喜三郎は毅然と突っぱねてしまう。男たちの慰め者であり、自分より遙かに年を得た豊菊に、女として負けたと、自暴自棄
になった花鳥は、島の男たちをけしかけて“抜け舟”を決行する。だが、瞬く間に役人に見つかって連れ戻され、“ぶっころがし”の刑に処されてしまう。
命を張って必至に江戸へ戻ろうとした花鳥たちの姿を見て、豊菊は遂に抜け舟を決意する。まだ夜が明けぬ中、豊菊、喜三郎たちを乗せた和船は、八丈島を静かに離れていったのだが----。
キャスト:
松坂慶子
西島千博
小沢まゆ
伊藤麻里也
根津甚八
ひかる
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