Saturday, December 11, 2010

北の螢 (1984)


明治十六年、開拓途上にあった北海道の道路建設のための労働力は、全国から集められた囚人によってまかなわれ、石狩平野に設けられた樺戸集治監(刑務所)では、月潟剛史が典獄(刑務所長)として君臨していた。囚人を虫けら同然に扱い“鬼の典獄"と異名をとる月潟の前にゆうという女が現われた。ゆうは、月潟の情婦・すまが女将をしている料理店にあずけられた。内務省の開拓副長官石倉が、部下の湯原、別所などを連れて視察に現われた。知事の座を狙う月潟は賄賂を包み、石倉お気に入りのゆうをその寝所に向かわせた。その見返りとしてゆうは、国事犯として捕えられている男鹿孝之進の赦免を月潟に要求した。京の祇園で芸妓をしていたとき、ゆうは政府から追われている男鹿をかくまい、やがて二人の間に愛が芽ばえたのだった。元・津軽藩士で政府に激しく抵抗する男鹿は、接見したゆうに月潟殺しを命じた。それから数日後、月潟は刺客に襲われた。看守として集治監にもぐり込んでいた元新選組副長の永倉新八らで、月潟は一命はとりとめたものの重傷を負った。

Saturday, November 6, 2010

Kai (1985)




Hideo Gosha’s third adaptation of a Tomiko Miyao novel (the previous two being Kiruyin Hanako no shogai and The Geisha) is perhaps his most succesfull. While the earlier films were somewhat uneven, Kai remains very consistent in quality throughout. Ken Ogata plays the leading male role – a well doing but somewhat small time dealer in women trade – but once again it’s the female characters who form the film’s core. Yukiyo Toake is excellent as Ogata’s wife who slowly grows tired of his husbad who does what he wishes. The storyline certainly has a melodramatic undertone – and Gosha has sometimes gone wrong with his ”suffering women” scenarios – but Kai abstains from bigger emotional bursts.

The most important factor behind the success is the excellent acting from the entire leading cast. A slight exception might be Mikio Narita – an action film villain actor that Gosha insisted using in his films despite Narita not quite being in the same league with Gosha’s other regular cast. In Kai, whoever, his make-up assisted appearance as a grumpy old yakuza boss work as a slight relief in an otherwise drama heavy feature, which could maybe be called ”women’s cinema”.


『鬼龍院花子の生涯』『陽暉楼』に続き、五社英雄監督、宮尾登美子原作のコンビによる第3作。昭和39年以来、9年余の歳月をかけて完成させ、第9回太宰治賞を受賞した宮尾の自伝的小説を映画化。大正初期から昭和10年代の高知。女衒を生業とする夫・岩伍のもとに嫁ぎ、大小さまざまな嵐に翻弄されながらも喜和はひたすら耐えた。彼女の妻として、女としての愛と悲しみの20年を、五社監督独特の骨太のタッチで描く。

特記事項東映チャンネルHDではHD放送
製作年度1985
監督五社英雄
脚本高田宏治
出演緒形拳/十朱幸代/石原真理子/高橋かおり/草笛光子/真行寺君枝/ハナ肇/名取裕子
上映時間(分)135



miccokoivisto.wordpress.com

Sunday, September 5, 2010

天国の駅 (1984)



昭和45年6月11日、東京小管拘置所内の処刑場で、一人の女がこの世に別れを告げ、天国への階段をのぼっていった。林葉かよ、47歳。--昭和30年春。結城つむぎの織女として、また美人としても評判のかよは、まだ32歳の女盛りであった。夫の栄三は傷痍軍人で、下半身マヒの障害者だった。しかも初夜を迎えないままに出征したため夜な夜な嫉妬心のかたまりとなって、かよに辛くあたった。そんな彼女に目をつけて接近したのが巡査の橋本だった。満たされぬ日々に悶々とするかよと深い仲になるのに時間はかからなかった。妻の浮気を知った栄三は狂ったように折檻し、思いあまったかよは夫を毒殺。しかし警察はズサンな調べで脳内出血による死亡として処理した。栄三の死後、警察を辞めた橋本はかよの世話で東京の大学へ通わせてもらうようになった。そんなある日、橋本は東京から幸子という女を連れて帰って来た。橋本は、かよとの噂を打ち消すために、幸子と仮の夫婦になるのだと言い訳をするのだが、かよと幸子二人の女は、橋本に騙されていたことを知り手切金を渡して縁を切った。同じ男に騙された妙な連帯意識で姉妹のように仲良くなった二人は、綿谷温泉郷にたどりつき、かよは土産物店を開き、幸子は芸者として、人生の再スタートを切った。そして、結城の頃から、かよに想いを寄せていた通称ターボという知的障害の一雄も、いつのまにかこの地に住みついていた。大和閣の主人・福見は、かよに惹かれ、何かと援助を申し出ていた。ダニのような橋本が現われ、かよに金をせびりに来た時も、福見は手切金として300万円を渡して追い返した。しかし、福見には精神病院に入院している妻・辰江がいる。そこで、ターボのかよに対する気持ちを利用して、かよに危害がかかるとそそのかし、辰江を殺害させた。邪魔者はいなくなった。福見とかよは晴れて結婚し、幸子も芸者を辞めて大和閣に落ち着いた。ところが、300万円を費い果たした橋本が再び舞い戻って来た。幸子は、やっと幸福をつかんだ自分とかよを、不幸におとしいれようとする橋本が許せなかった。殺すしかない。そう決心した幸子は、登山列車から橋本をつき落とそうとするが、逆に谷底につき落とされてしまった。最愛の幸子を失なったかよは復讐のために橋本と会おうとするが、福見は許さなかった。かよは福見に過去の夫殺しを告白、生きた屍のように無気力となってしまった。一方福見も、先妻殺しをそそのかしたターボの存在が邪魔になり殺そうとする。しかしターボの抵抗にあい、かよに手助けを求めたが、かよは逆に福見を殺してしまった。かよは初めて自分を最も愛してくれていたのはターボであることを知ったのだ。二人は死ぬ覚悟で逃走した。駅へたどり着いた時、結城の事件以来、かよを追っていた五十沢刑事ほか警察官が待ちかまえていた。

吉永小百合 ヨシナガサユリ (林葉かよ)
西田敏行 ニシダトシユキ (田川一雄)
三浦友和 ミウラトモカズ (橋本浩一)
真行寺君枝 シンギョウジキミエ (幸子)
白石加代子 シライシカヨコ (福見辰江)

goo

Saturday, July 3, 2010

火宅の人 (1986)



作家、桂一雄は、最初の妻リツ子に死なれ、後妻としてヨリ子をもらった。ヨリ子は腹ちがいの一郎をはじめ、次郎、弥太、フミ子、サト子と5人の子供を育ててきた。昭和31年、夏、一雄は新劇女優、矢島恵子と事をおこした。8年前の秋、彼女が知人の紹介状を持って訪ねて来て以来、その率直さに心魅かれていたのだ。恵子はその後、一雄の忙しい時に原稿の清書を手伝ったりしていた。26年に「長恨歌」で直木賞を受けた一雄は、受賞の喜びよりも恵子の嬉しげな笑顔の方が、心に残る。だが、指一本触れたことがなかった。そんな時、一雄の身辺に凶事が重なった。一昨年の夏は、奥秩父で落石に遭い助骨3本を骨折。昨年の夏は、次郎が日本脳炎にかかり、言葉も手足も麻痺してしまう。そして今年の夏。一雄は太宰治の文学碑の除幕式に参列するための青森行に、恵子を誘ってしまった。ヨリ子は次郎の事があってから、怪しげな宗教の力にすがるようになっていた。一雄はある局面に向って走り出した。40年前、一雄の母は、神経衰弱の父と幼い妹二人を残して、年下の大学生と駆けおちしたのである。青森から帰った一雄から、全てを打ち明けられたヨリ子は、翌日家出した。一週間すぎても連絡はない。一雄は若々しい恵子との情事のとりこになっていった。ある嵐の夜、ヨリ子は一生、次郎と子供たちのために生きる覚悟を決めたと戻ってきた。入れ替わりに一雄は家を出、浅草の小さなアパートで恵子と新しい生活をはじめる。一郎がそのアパートに空巣に入るという騒ぎ、恵子が某怪人物に溺愛されているとの噂に、嫉妬に狂った一雄が京都公演中におしかける事件などの後、恵子が妊娠した。堕胎を決意した彼女は、一雄に同行を求めるが、彼にはそんな時間の余裕はなかった。その夜、二人は派手な喧嘩をした。逃げるように東京を離れた一雄は、五島列島行の連絡船にとび乗った。彼はそこで、京都で怪我をした時介抱してくれた女性、葉子に再会した。義父に犯された暗い過去を持つ彼女は、10年ぶりに里帰りしたのだ。葉子は、あてのない一雄の旅の道連れとなったが、クリスマスの夜、求婚されていた華僑への返事を、これ以上のばせないと一人で旅立って行った。東京へ戻り、久々に正月を家族と過ごすことになった一雄のもとに、次郎の死が知らされる。次郎の葬儀の日、恵子から一雄の荷物が届けられた。

緒形拳 オガタケン (桂一雄)
いしだあゆみ イシダアユミ (ヨリ子)
原田美枝子 ハラダミエコ (矢島恵子)
松坂慶子 マツザカケイコ (葉子)
利根川龍二 (一郎)

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Wednesday, June 16, 2010

るにん (2004)





一つ、そしてまた一つ。竹籠に入れられた罪人が崖から海へと突き飛ばされる。八丈島での死刑執行の儀式、通称“ぶっころがし”。この壮絶な光景をただ呆然と眺めている女がいた。江戸・吉原に火付けをした罪で流人となった花魁・豊菊(松坂慶子)だ。豊菊は島役人・稲葉重三郎(根津甚八)に流人仲間の罪を密告し、飢饉の激しいこの島で生きるために男たちに体を売って生き延びてきた。それもただひたすら“御赦免状”を貰い、
再び江戸へ帰るため。しかし、待てど暮らせど御赦免状は届かない。稲葉が豊窮の体をただ弄んでいたことを知ると、豊菊は稲葉の股間を刀で斬り付けた。逆に稲葉の怒りを買った豊菊は、折檻を受けてしまう。

心身共にボロボロになった豊菊を介抱したのは、博打の罪で流人となって送られてきたばかりの喜三郎(西島干博)。日頃、男たちの“慰め者”として姉御肌を効かせていた豊菊が、「こんな汚れた体で、こんな島の土になりたくない」と嘆き悲しむ姿を見て、喜三郎は優しく豊菊を抱擁しながら誓う。「俺が江戸に帰してやる」。
翌日から喜三郎は、海を見渡せる崖に座り、潮の流れを観察する日々が続いた。八丈島の風土・文化を研究している元・武士の流人・近藤富蔵(島田雅彦)によると、7月になれば無潮の海を上手く舟で抜けられる時があるという。

そんな喜三郎の企みを察して、豊菊同様、吉原の火付けの罪で流人となったばかりの花鳥(伊藤麻里也)がすり寄ってきた。自分が島流しになったために苦労を掛けているであろう両親に遭い、ただひと言、謝りたいという。色仕掛けで喜三郎に迫り、「私も連れていって」とせがむ花烏だったが、豊菊を愛する喜三郎は毅然と突っぱねてしまう。男たちの慰め者であり、自分より遙かに年を得た豊菊に、女として負けたと、自暴自棄
になった花鳥は、島の男たちをけしかけて“抜け舟”を決行する。だが、瞬く間に役人に見つかって連れ戻され、“ぶっころがし”の刑に処されてしまう。

命を張って必至に江戸へ戻ろうとした花鳥たちの姿を見て、豊菊は遂に抜け舟を決意する。まだ夜が明けぬ中、豊菊、喜三郎たちを乗せた和船は、八丈島を静かに離れていったのだが----。

キャスト:
松坂慶子
西島千博
小沢まゆ
伊藤麻里也
根津甚八
ひかる

www.cinematopics.com

Tuesday, June 15, 2010

アキレスと亀 (2008)







売れない画家の真知寿(まちす)と妻である幸子の夫婦愛を描く。芸術やアーティストにとって大事なものはなんなのか……。

現代
ビートたけし - 倉持真知寿
樋口可南子 - 倉持幸子(妻)
徳永えり - 倉持マリ(娘)
大森南朋 - 画商

青年時代
柳憂怜 - 真知寿
麻生久美子 - 幸子

少年時代
吉岡澪皇 - 真知寿
中尾彬 - 倉持利助(真知寿の父)
筒井真理子 - 倉持春(利助の後妻)
大杉漣 - 倉持富輔(真知寿の叔父)
円城寺あや - 富輔の妻
伊武雅刀 - 菊田昭雄(画商)

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Monday, June 14, 2010

花よりもなほ (2006)




時は元禄15年、今を遡ること300年。仇討ちに藩が賞金を出していた時代。主人公は、父の仇討ちのために信州松本から江戸に出てきた若い武士、青木宗左衛門。広い江戸で父の仇を探すこの男、実は剣の腕がからきしダメときた。貧しいながらも人情あふるる長屋で半年暮らすうち、あろうことか「仇討ちしない人生」もあると知ってしまった!はたして宗左衛門、仇討ちするのかしないのか?

岡田准一・・・青木宗左衛門(宗左)
宮沢りえ・・・おさえ
古田新太・・・貞四郎
香川照之・・・平野次郎左衛門
田畑智子・・・おのぶ

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